会社の『封筒』を見直してみませんか?
Munakata.H
封筒の意外な使い方
ずいぶん前に読んだ“いたずら好きなかりあげサラリーマンのお茶目な日常”を描いた4コマ漫画。
「今日はどのカバンで行こうかな」と出社前の主人公。街なかで出社中の主人公に気づく同僚。同時に手元の違和感にも気づき、「他の会社の封筒を持って何をしてるんだ」とツッコミます。
かなり記憶があいまいなのですが、確かこんな感じだったかと思います。
カバンと呼んでいたのはいろいろな大企業の封筒。それを持ち歩くことで周囲から大企業の社員に見られることを主人公が楽しんでいた、というわけです。
外で自分の会社をアピールできるものとして、社名が書かれた営業車や社章(バッジ)などがありますが、封筒も意外と手軽にできるものなのかもしれません。その封筒が印象的であれば尚のことです。
封筒は会社の顔
“兎にも角にもまずは検索”の時代にあって「ホームページは会社の顔」と呼ばれて久しいですが、請求書などの大事な書類をお客さまに届け、会社名を認識してもらうという意味では、封筒も「会社の顔」としての機能を有していると言えるのではないでしょうか。
今回はそんな力を持っている封筒の基本情報をご紹介いたします。
01.封筒の呼び方
封筒をご注文いただく際に、電話口で少し戸惑っているお客さまがいらっしゃいます。
封筒が入った箱に書かれた「角形2号」「長形3号」の文字。
“かくがた?”“ちょうけい?”など曖昧な呼び方で注文をいただきます。
印刷業界では「角形2号」(以下角2封筒)を「かくに」封筒、「長型3号」(以下長3封筒)を「ながさん」封筒と呼んでいます。
なぜ「角」が音読みで、「長」が訓読みなのかなど気になるところはありますが、名前だけでも覚えていただければ幸いです。
02.封筒の種類
封筒は本来たくさんの種類があるのですが、現在では先に記しました「角2封筒」と「長3封筒」がよく使われています。
これは、1993年に厚生労働省から“各省庁の行政文書はA4サイズとする”という指針が示され、行政文書はA判が基本となりました。
それ以来30年近くビジネス文書はA4が基本となり、B4、B5などのB判を使う機会は極端に減ることに。
そのため、A4サイズの用紙をそのまま入れるのにちょうどよい角2封筒と、A4を三つ折りにするとちょうどよい長3封筒、今ではこの二つの封筒が大部分を占めることになったのです。
03.封筒裏の貼り合わせ方
近くに封筒があれば、裏面をご覧ください。
紙が貼り合わされていますが、それは封筒の真ん中でしょうか、右側でしょうか。
封筒には貼り合わせ方には2種類あり、一つが真ん中貼り合わせの「センター貼り(中貼り)」、もう一つが横の貼り合わせのが「サイド貼り(横貼り)」です。
昔からあるセンター貼りには少しデメリットがありました。
みなさんも経験があるかもしれませんが、宛名を書く際に、貼り合わせの段差でペン先がずれてしまうこと。
それを解消する目的で生まれたのがサイド貼り封筒なのです。
ただ、センター貼りに比べると強度が少し弱かったり、封入で封筒の中の貼り合わせ部分が少し引っかかるとの声もあります。
どちらもメリット・デメリットがありますので、使い方、ご都合に合わせた貼り方をご指定ください。基本的に料金は同額です。
04.封筒の紙
封筒に使用される紙は大きく分けて3種類。
昔からあるいわゆる茶封筒がクラフト封筒。
白いケント紙で作られた印刷の色が映える白ケント封筒。
そしていろいろな色を選べるカラー封筒。
それぞれの紙の特徴をいかすことで、印象的なデザインにすることも可能です。
封筒の秘めたるチカラ
いかがでしたでしょうか。
ずっと変わらない印象の封筒にも歴史があり、いろいろな特徴や選択肢によって印象や使い勝手も変わってくるのです。
そして、使い方によっては立派な販促、アピールのツールになる可能性を秘めています。
一番のポイントは、新たに大きな予算が必要というわけではないこと!
この機会に「封筒」を見直してみるのはいかがでしょうか。
お気軽に「ながさん!」、「かくに!」とお声がけください。
〈Copywriter・Hiroaki Munakata〉