「運ぶ」手段が変わったように、「伝える」手段が変わるだけ
Watanabe.Y
わたしたちの業界、印刷・広告の世界の未来を考えるときに、よく頭をよぎるのは
1900年代初め、馬車から自動車へ交通手段が変わっていった社会のことです。
自動車の登場によって馬車は急激に減っていきました。
影響を受けたのは、馬車を作っていた人たち、御者や馬を世話する人たち、
馬の飼料を扱っていた人たちなど多くの周辺ビジネスで
その中には消失したものも多くあります。
馬が走りやすい道路から自動車が走りやすい道路へ
馬が餌を食べる場所から、ガソリンスタンドへ
多くの変化がありました。
そして、100年後の今、自動車はまた激変の時を迎え
脱ガソリン、EVシフト、自動運転によるロボットタクシーの普及、
所有の車からシェアリングカーへ。
エネルギーの大幅削減に向けて世界は動いています。
なぜ、「馬」ではダメになったのか
なぜ、「自動車」がよかったのか。
「馬」でもいいんだけど「自動車」がいいよね。
大きな社会的要因があります。
こうして、世界は変わっていきます。
しかし、交通手段は変わっても、そこに揺るぎなくあるのもの
「運ぶ」ということ。
印刷・広告の世界は、
もともは、書き写したり、口伝えで伝えられる情報を
早く、大量に広げたいことから発展し、その地位を揺るぎないものにしてきました。
印刷技術の発展はつづき、紙の印刷物をいかに高いクオリティで作れるのかが
求められ、競われ、磨かれてきました。
そうしている間にも
活版印刷から、ワープロ、パソコン、インターネットへ。
なぜ、「紙」ではダメなのか。
「紙」でもいいんだけど、「インターネット」がいいよね。
大きな社会的要因があります。
こうして世界は変わってきています。
しかし、情報流通の手段は変わっても、ひとの思いをつなぎたい、
コミュニケーションの発展性と可能性として
「伝える」ことには揺るぎなく、ここの世界にありつづけます。
わたしたちが向かう先。
よりよい社会にすること。
理想を現実にすること。