鈴木敏文さんが遺した「心」と、わたしたちの目指すもの
Watanabe.Y
先日、新聞の訃報記事を前に、しばらく思考を留めてしまいました。
セブン-イレブンを展開し、日本の暮らしそのものを変え「コンビニの生みの親」と呼ばれた鈴木敏文さんが、93歳で旅立たれました。
数々の偉大な功績を残された方ですが、わたしが経営者として最も影響を受け、深く勉強させていただいたのは、その経営の根底にある「徹底的に人の感情を大切にする」という姿勢でした。
鈴木さんの経営は、時に「感情経済学」や「心理学経営」とも呼ばれます。
データや合理的なシステムを突き詰める一方で、それらを扱う「人間の心理」や、受け取る「お客様の感情の真実」にどこまでも愚直に寄り添い続けた方でした。
「話し下手でも、相手の心を動かすことができる」――その教えに、わたしは何度も救われ、背中を押されてきました。
振り返れば、わたしたちが最も大切にしている経営理念、
「当社のカラー、色のチカラ、強みを最大限に活かし、心で感じ心に響く仕事をし、ともに歩みたいと思ってもらえる会社になります」
この言葉を確信を持って紡ぎ、会社の真ん中に据えようと思えたのは、鈴木敏文さんの思想から学ばせていただいたおかげかもしれないと、あらためて感じています。
テクノロジーの先にある「人間の温かみ」
わたしたちは今、AIの全社標準化や外部ネットワークとの統合など、生産性を劇的に高める構造転換の真っ只中にいます。
時間は最大の経営資源であり、仕組みを効率化することは不可欠です。
しかし、わたしたちが決して忘れてはならないのは、「仕組みを研ぎ澄ますのは、お客様と心を通わせる時間を創るためである」ということ。
どれだけ時代が変わり、AIが優れた機能を拡大していったとしても、お客様の喜びを引き出し、地域社会に深く響くビジネスを創り出せるのは、システムではありません。
それは、わたしたちが持つ「ワクワクする感性の複雑さ」であり、「人の温かみ」でしか叶えられないのです。
合理的な仕組みを追求するからこそ、その中を流れる「心」を一番にだいじにする。
鈴木さんが「コンビニ」という日常のインフラの中に温かい血を通わせたように、会社の仲間たちも印刷とコミュニケーションビジネスを通じて、お客様や地域の皆さんの心に彩りを届ける存在でありたい。
大切な「心」を真ん中に置いて、全員で一歩ずつ進んでいきます。