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コピー、作りませんか?

Watanabe.Y

父親の席は、花嫁から一番遠くにある。(キャノン)

こちらは私が好きなコピーの一つで、15年ほど前のコピー展、第42回宣伝会議賞で金賞(グランプリ)の大賞を受賞した作品です。
写真でも動画でもない、たった18の文字。
カメラを持つ手、閉じた口、ファインダー越しに娘を見つめる瞳、そして、その奥にあるもの。
カメラによってもたらされる情景と心情が強く伝わってくる優れたコピーです。

 

「イメージコピー」と「セールスコピー」

 

一般的に広告のコピーというと
・24時間戦えますか
・100人乗っても大丈夫。
・あなたとコンビニ
などのTVCMで目にするいわゆる「イメージコピー」。
こちらは企業や商品のブランディングのためのものです。

しかし、これらの広告はTVCMを多く出している一部の企業のよるもの。
実際には「セールスコピー」という来店や購入のアクションを促すためのコピーが日常に溢れており、DMやチラシ、最近ではWEBのランディングページやSNS広告、ユーチューブ動画などで見られます。
先ほどのイメージコピーとは違い、センス溢れるようなストーリーを感じることはありませんが、セールスコピーの良し悪しでチラシDMの反響や、WEBサイトの閲覧数が変わり、結果、商品販売、売り上げに大きく影響を及ぼします。

 

 

たった7つのテクニックでできるコピーの作り方

 

みなさんの会社やお店の広告のコピーはどうしていますか?
誰かに任せっきりだったりしませんか?

「国語が苦手だったから無理!」
「私そんなセンスないから!」
というかもしれませんが、あなた発したその言葉。
今、私に伝わっています。
コピーの作り方にはパターンやテクニックがあります。
それを利用すれば、もうちょっと“いい感じのコピー”に行き着くのです。

1 具体的な数字で伝える
「すでに5万人の方にご愛顧いただいております」
「お客さま満足度93%!」
具体的な数字を用いることで、具体的なイメージを湧かせることができます。
お店の場合は、アンケートなどでお客さまから回答を引き出し、そこからポジティブな数字を割り出すことでより実感の持てるコピーに行き着きます。

2 単位を変えてみる
「東京ドーム4個分の広さ」
「衝撃映像は120秒後!」
実際の東京ドームのサイズ感はわかりませんが、単位を変えてみることで、当たり前の言葉に引っ掛かりができたり、違う捉え方をしてもらうことができます。

3 社会的な証明を与える
「Mデラ○クスも絶賛!話題のスイーツ」
「東○大教授監修の枕で心地よい睡眠を」
ラーメン屋さんの行列やいい口コミを見れば、ここは美味しいのかな、今後行ってみようかなと思います。
権威や評価の高さなど、客観的に評価されているものは自動的に信用をもたらしてくれます。

4 意外性、好奇心をあおる
「ちょっと待った!あなたのその○○、○○だと思っていませんか?」
「あーまずい!もう一杯!」
え?と思わせたらOK。
思い込みが覆されるような意外な話はその続きがどうしても気になるものです。

5 くりかえす。くりかえす。韻を踏む。
「勉強がどんどんできる!ますます楽しくなる!」
「あしたのもと AJINOMOTO」「すぐおいしい、すごくおいしい」
いわゆるだじゃれも立派な広告の一つです。
Mr.ChildrenやOfficial髭男dismなどの有名なアーティストも、歌詞にたくさんの韻を使っており、ふとしたときに口ずさんでしまう引っ掛かりを残します。

6 限定・希少の今だけ感
「お客様5名様限定」
「次の入荷は8月になります。お早めにお求めください」
特に日本人は弱いと言われる「限定」という言葉。
聞いただけでピクッと一瞬心が動きます。

7 かんたん!すぐ!が伝わる
「一日たった5分のマッサージでこの効果!」
「電車通勤の20分の英語の聞き流しであなたの英語はペラペラに」
面倒だし、続かないし、という心のブレーキ。
これを取り除くことで、自動的に次の行動に向かわせることができます。

いかがでしょうか。
テレビショッピングやチラシなどで聞いたことのあるような耳馴染みのあるフレーズも多かったのではないでしょうか。

さらには、「ターゲットを知る」「商品の特徴を知る」「お客さんの悩みを知る」
これらをリサーチをすることでより強い訴える力を持つコピーになります。

 

 

作ってみましょう

 

先ほどのコピーはできないと言っていた言葉を少し変えてみます。
「国語が苦手だったから無理!」
→「国語はずっと2か3だったから無理!」(1 具体的な数字でつたえる)
「私そんなセンスないから」
→「国語の先生をしているいとこにセンスないって言われたから」(3 社会的な証明を与える)

少しだけですが、言葉に含まれる思いが濃くなった感じがしませんか?
言葉を少し変えるだけでも、伝える力がアップすることがわかります。

伝えたい思いと少しのテクニックがあれば、コピーはできてしまうのです。

 

〈Copywriter・Hiroaki Munakata〉

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