COLUMN

色とりどりの車、彩られる街 〜カーラッピング〜

2022.07.08

その車、ひときわ目立ってます

2008年、日本最大のカーレースに登場した『その車』は、今までにない大きな注目を集めました。

2011年には早くもチャンピオンになり、その後もたくさんのスポンサー、特に個人スポンサーに支えられ、今も強豪チームとして活躍しています。

その車が注目を集めた理由は、いわゆる『痛車(いたしゃ)』であったこと。

痛車とは、車体に漫画・アニメ・ゲームなどのキャラクターやロゴなどが描かれた車のことを言います。

ただでさえ派手なレーシングカーの中でも、より一層目立った痛車が登場し、さらにはチャンピオンになったことにより、今までレースに興味のなかった層のファン化につながったと、レース業界のみならず多方面で話題となりました。

世間ではオタク文化への認知も高まり、街中でもこういった車を見る機会も増えてきました。

もちろん、個々人の好みもありますので、『痛車』に対して思うことは人それぞれです。

しかし、みなさんの中で

「好きなのはいいけど、あと先考えずに車をあんな風に塗っちゃたりしたら…後で売ったりするときとか大変じゃないの?」

と思っている方、いらっしゃいませんか?

実は、これらの車は塗装しているのではなく「ラッピング」という技術を使っており、これにより比較的簡単に車の色や柄を変えられ、元に戻すことも簡単にできるのです。

今回は、広告宣伝にも多く利用されているこのカーラッピングについてご紹介いたします。

 

 

簡単にできるカーラッピング

カーラッピングとは、専用の大きなフイルムで、車を丸ごとラッピングするように貼り付け、外観を大胆に変えることを言います。

車の色などを変える場合、塗装が一般的ですが、塗装が一度塗ったら元に戻すことができない上、デザインをする場合はその人の腕次第というところがありました。

ラッピングに使用されるフイルムはもともと車を保護することを目的としたものであるため、簡単に剥がすことができます。

フイルムには色だけでなく、複雑な模様や写真もプリントすることができるので、まさに動く看板として、宣伝広告に使用することができるのです。

使い方その1 自社の車両を使って宣伝広報活動

自社の営業車や配送車をラッピングすることで、不特定多数の方の目に触れる広告や看板の役割を果たすことができます。

自社の車を使用することで、マスメディアの広告よりも安価で費用対効果も抜群です。

 

使い方その2 宣伝状況の変化に対応

宣伝活動を続けていると、内容やデザインの変更などをしたいという意見が出てくるものです。

そうした時も、今のシートを剥がし、デザインを変更したシートを貼り直すということも短期間ですることができます。

期間限定のキャンペーンや、一つのテーマに何種類かを展開するシリーズ広告などにも対応することができます

 

使い方その3 社員の意識改革

企業がTVCMをする理由の一つに、社員が自社のCMを見ることで会社への帰属意識が高まり、自社への誇りが生まれることと言われます。

ラッピングカーはまさに自社の“看板”を背負っているわけで、それによりドライバーは、自社の意識だけでなく、より安全な運転、車両の管理、清潔に車を保とうと心がける効果をもたらします。

 

 

使い方で広がる可能性


こちらは那須塩原の温泉キャラクターのラッピングカーです。

少し古くて白い普通の軽自動車でしたが、ラッピングによってたくさんの人が振り返る魅力あふれる車に変貌しました。

今現在、那須塩原でレンタカーとして、ファンの方を中心に利用されています。

温泉街や観光地、市街地をこの車でめぐり、いろいろな場所でこの車と一緒に記念撮影をするなど、SNSでの一味違った情報の拡散が期待されます。

一台の車で、借りた本人だけでなく観光地の商業にもメリットをもたらしています。

この車の注目すべきは窓。

窓にもシートが貼られていますが、メッシュになっているので、中から外を見ることができます。

もちろん車検も問題ありません。

これにより広いスペースを使った大胆なデザインも可能になります。

一見、アナログな宣伝活動のようですが、webとの連動など、利用の仕方次第で大きな効果を発揮する方法と言えます。

 

あなたが望むカラー

みなさんがお持ちのスマホは何色ですか?

あるデータによれば、iPhone12のカラーランキングは1位がパープル 2位ホワイト、3位グリーン、4位ブルー、5位レッド、6位ブラックだそうです。

いろどりのある色が選ばれ、華やかで自由な感じのラインナップです。

しかし、車は、実用的な白、黒、シルバーなどが人気で、パープル、グリーンなどの車は街中で見ることはほとんどありません。

色によっては10%程度も下取り価格が違ってくることも要因の一つかもしれません。

でも

もし、皆さんが今乗っている車の色を自由に変えられ、もとに戻せるとしたら、何色にしてみたいですか?

スマホケースのように好きなキャラクターや応援するスポーツチームなどのデザインもいいかもしれません。

色とりどりの車が増えたら、きっと道路を眺めるだけで楽しくなる彩りのある街になるのではないでしょうか。

街の景色を変える。

カーラッピングはそんな大きな力を秘めています。

〈Copywriter・Hiroaki Munakata〉

 

 

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