色ってなんだろう。
なぜ赤いの?
なぜ
りんごはなぜ赤いのか。
葉っぱはなぜ緑なのか。
空がなぜ青いのか。
社名に「カラー」とつく会社で色に関わる仕事をしていますが、
そんなことを不思議に思ったことがありませんでした。
当たり前にそこにあり、疑う余地もないものです。
しかし、ずいぶん以前ですが、色彩検定という資格試験の勉強をする中で、
あることを知り、衝撃を受け、
『色』の見方がずいぶん変わりました。
目と脳がもたらす不思議
カラーテレビに始まり、特に近年では一人一台のスマートフォンの普及により、
鮮やかな色の動画や広告などが、より積極的に目に飛び込んでくる時代になりました。
自然や季節の色だけではない、様々な色が飛び交っているのです。
いきなりですがクイズです。
今、画面にりんごが映し出されています。
その赤い色はどうやって映し出しているのでしょうか。
正解はりんごの部分が赤く発光しているからです
もう一問。
本物のりんごが赤いのは何故でしょうか。
もちろん赤く発光しているわけではありません。
答えは赤い光を反射しているからです。
いろいろな光を受けたリンゴは主に赤以外の光を吸収し、
赤い光を反射させているのです。
その光が私たちの目に届き、赤く見せているのです。
りんごが赤いから赤く見えているわけではないのです。
ちょっと驚きです。
最後にもう一つ。
赤い光はなぜ赤いのでしょうか。
禅問答のようですね。
答えは脳が赤いと判断したから。
え?
と思われるかもしれません。
光は私たちの目に飛び込んできます。
眼球の奥にある、赤、緑、青の光を感知する細胞が
それぞれの光を電気信号に変換し、視神経を伝って脳に伝達します。
脳ではその3つの電気信号の強さなどの情報から判断し、適した色を塗り、脳の中に色の映像を作り上げるのです。
つまり、りんごの赤い色は脳の中のイメージに過ぎないのです。
ちなみに、目の中、網膜には景色が上下左右逆に写っているのですが、脳に伝わる時にそれを反転させて適切な情報に直しているそうです。
不思議ですね。
色は当たり前のようにそこに「ある」ものだと思ってましたが、
脳が作り出したものを「感じて」いるものなのです。
同じ感知する細胞を持った者同士が
感じたイメージを共有することで、
初めて「りんごは赤い」と言えるのです。
同じ『色』に関連する過去のコラムです。
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・スマホやパソコンモニターと印刷物では、同じ色でも違って見える
〈Copywriter・Hiroaki Munakata〉