数字が好きなひとの楽しいコピーライティング
Watanabe.Y
約10分の自己紹介スピーチを1ヶ月後に控えています。
1分間に約300文字といわれますから、文字数にして3000字程度。
昭和世代なので原稿用紙何枚分と換算したくなります。
そうすると、約10分のスピーチ3000字は、400字詰め7.5枚。
スピーチ原稿だけでなく、広告や印刷の仕事に携わっていると、コピーライティングの機会が多々あり、取材原稿、商品紹介コピー、ブログ記事など、毎日のようになにかしら書き物をします。
どんなことを、どんな視点で書くかを考えながら、数字を意識して組み立てをしていくと効率アップが図られ、よりよいものに仕上がります。
「数字を意識すると、文章を書くのが楽しくなる」
今回は、そんな感覚がある人に共感してほしい内容です。
【「今のわたしに書けること」を書くには、書き出しまでの準備がすべて】
コピーライティイグ(ここでは「文章を書く」とも言います)で、心がけることは「今のわたしに書けること」を書くことです。
どんなに時間をかけても、今ある力量以上のものは書けません。
1時間かけても2時間かけても、できあがった文章に大差はありません。
ですから、「今のわたしに書けること」の書き出しまでの準備がすべてです。
この書き出しまでの準備として日常的にできることが、読書。
小説やビジネス書といった書籍に限らず、雑誌、ネットの情報、仕事の書類、なんでもいいので、文章を読みます。
読書は趣味レベルではなく、習慣レベルで読むといいです。
ポイントは、文体、流れ、そして、全体構成を意識して読むこと。
ビジネス書などは、目次の構成だけをじっくりみても、全体構成の組み立ての勉強になります。
また、アイディアの源にもなるので、どんどん文章は読みます。
そして、できれば、自分の好きな文体、流れ、構成を見つけて、いつでも真似できるようにします。
具体的にお題目があってのコピーライティングの書き出しまでの準備としては、目的をはっきりさせること。
目的には必ず、「読み手に○○○」という視点がはいってきます。
読み手にこの商品を買ってもらうこと、とか、読み手にこのイベントに参加してもうらこと、とか。
読み手に笑ってもらうこと、とか、泣いてもらうこと、とか。
コピーライティングのその先には、必ず読み手がいるので、「読み手」を知ることです。
「読み手はなにを期待しているのだろう」と想像力を働かせることです。
【「読み手はなにを期待しているのだろう」という想像力】
1. 読み手は誰か。どんな特徴があるか。
特徴が異なっている人が混在する場合、その構成はどうか。その中でもどの層に焦点を当てるべきか
2. 読み手は、なにについて知りいと思っているのか
3. そのことについて、一般的にはどのようなことが言われているか
4. 読み手の期待を上回るには、なにが必要か
「読み手」を「メディア」と置き換えてもいいです。
1. その文章が展開されるメディアはなにか(どんな場か)
2. メディアの主体はなにか(誰か)
3. メディアは書き手に何を期待しているか
4. メディアとの接点はなにか。どんな点に配慮するべきか。
5. いつ人の目に触れるか
6. 文字数はいくつか
7. じぶんの文章の他に展開される文章(コンテンツ)はなにか
その上で、テーマ、アイディア、全体構成、着地点も含め全体をイメージします。
具体的にイメージするのは、以下の4つ。
○ 5W1H/when,where,who,what,why,how
○ 起承転結
○ 文字数
○ 時間
すべての文章には、かならず制限があります。
このうちの時間は、どのくらいの時間で書き上げるかのじぶんに対しての制限です。
冒頭に書いたように、どんなに時間をかけても、今ある力量以上のものは書けません。
むしろ、時間制限を設けたほうが、組み立てが効率的にでき、よい内容に仕上げられます。
この時間の制限外、デスクやパソコンに向かう前にしておくことが、アイディアのリストアップ。
リストアップは、歩いていても、車を運転していても、ご飯を食べていてもできます。
思いついたときに、スマホや紙にメモしておきます。
「今のわたしに書けること」を書くには、書き出しまでの準備がすべてでした。
その準備が整ったところで、実際にライティング作業の流れです。
1. 情報を集める、整理する
2. 構成を考える、組み立てる
3. 書く
4. 推敲する
必ず時間や文字数といった「制約」を設けて書きます。
もし、上記のライティング作業の流れを時間で決めるなら、こんな時間割になります。
1. 情報を集める、整理する 20分
2. 構成を考える、組み立てる 10分
3. 書く 20分
4. 推敲する 10分
また、文字数の制限が400字だとすると、あらかじめ文字数も決めておきます。
1. 起 100字 50字
2. 承 100字 150字
3. 転 100字 150字
4. 結 100字 50字
どんなものでも、起承転結で書きます。
起でうたい起こし、承でこれを受けて発展させ、転で場面や視点を転じ、結でこれらを受けつつ全体をしめくくる。
基本に忠実に書き起こしていきます。
それぞれの句で、多少のずれはあるにしても、このくらいの割合が無理のない、わかりやすい組み立てになります。
全体を通して、よみやすさの基準としては、文章全体の漢字とひらがなの比率は、3:7。
漢字が多すぎると、感覚的に難しい内容にとらえられて、読んでもらえる確率が下がります。
同様に、スピーチ原稿なら、なるべく平坦な言葉を選びます。
聞く人の頭に、心にすーっと入っていく言葉選びです。
文章でもスピーチでも、コピーライティングでは、一瞬でいいから、読む人や聞いた人の頭のなかに「光景」を描くこと。
さらに、色、形、におい、温度が伝わればもっといいと思います。
数字を意識してコピーライティングをするといっても、論理的な内容を書くということではなく、より多くの光景を文字や言葉によってより綴り、より多くの人に届けるための手法のひとつです。