リクルートサイトの肝は、「本音で語ること」と「社員紹介」
Watanabe.Y
「この状況下、ぐっと求人を抑える会社が増えてきました。不幸にも人員整理に踏み切る会社もでてきています。そういった影響もあり、今だからこそいい人材が採れます!」
昨年5月コロナ禍の中、当社では一人産休に入る社員がいることもあり、人材派遣・紹介の会社に人材紹介をお願いしました。
複数の派遣・紹介の会社が冒頭のようなことを話してくれました。
「いい人材が採れる」という言葉が、なんとなくモノの売り買いみたいで違和感がありましたが、営業トークなのだろうと割り切って聞いていました。
わたしが、社員の労働を考えるときに、いつも頭にあるのは、一番は今この会社で働く人がその才能を発揮して、かつ、満足できるような待遇にしたいということ。二番目には、少しでも会社に余裕があれば一人でも多くの人を採用し、その人自身が才能を開花させながら自分の居場所をつくってほしいということ。
こうした考え方が前提にはありますが、企業にとって「人の採用と教育」は、「売上をつくる」こととの両輪として、最も重要な経緯課題です。
当社では各企業・団体のリクルートサイトもいくつかお手伝いさせていただいています。
今回のコラムでは、採用担当の方とリクルート用サイトをつくる際の話し合いの中で、また、リクルートサイトを運用してみて見えてきたことなど、採用担当者のヒントになるような内容になればと思います。
リクルートサイトには、どんな内容を入れたらいいんだろう
よくいただく相談者の声です。
ズバリ、リクルートサイトには「本音」を入れることです。
代表者の想い、会社情報、沿革、福利厚生・待遇、募集要項といった項目の他に、特に力を入れてほしいのは、「求める人物像」と「仕事の内容」を本音で語ることです。
どの会社でも、人を採用するときには、少しでも長く勤めてほしいと思っています。
そして、求職者もいろんな必要条件はあるでしょうが、自分がそこでやりがいをもって活躍でき、収入を得て生活していきたいと思っています。
だからこそ、採用で一番だいじなのはマッチングです。
情報上でどんなにいいことを書いて、魅力的に見せても実際に働いてみたら、「思っていたのと違う」「とてもここではやっていけない」ということになれば、長く働いてもらうことは叶いません。お互いが不幸です。
「うちの会社の仕事はこういうことで、毎日こんなことをやっていて、こんなことが起きるよ」
【 仕事の内容、日々の業務 】
「うちの会社はこういう企業文化があって、こういう人がいて、こういう考え方をしているよ」
【 社風、人間関係 】
「こんなふうに発展してきて、今はこうで、これからどうなっていきたいと思っているよ」
【 業界の状況、将来の方向性と夢 】
こうした事項を、よく見せすぎることなく、また、くだけすぎず、等身大で表現していくことです。
また、会社は、どんな業種でも人対人がいっしょに活動する場なので、人間味はとてもだいじです。仕事での悩みで一番多いのは「人間関係」だと言われます。人は人に一番のストレスを感じ、いっしょに働く人がよければ多少の苦しみも乗り越えられますし、人間味のある組織であれば、問題をいっしょに解決してく道も見えてきます。
そういう意味でも、人間味があって、本音を語る内容にしていくことで、そこに共感する人が、会社の門を叩いてくれます。
どんな人が働いているんだろう。自分はやっていけるかな
人間味や本音を語る内容として、とても有効なのが、今実際に働いている「社員の紹介」つまり、いっしょに働く社員の姿を見てもらう内容です。
写真やインタビュー記事を載せることで、求職者にここで働くイメージをもってもらったり、親近感を与えることができます。
「入社のきっかけ」「仕事の具体的な内容」「会社の雰囲気」「うれしかったこと」「苦しかったこと」を、それこそ本音で語ってもらいましょう。(いくら本音がいいとはいえ、社長チェックはしましょうね!!)
写真や言葉のニュアンスからも求職者はその会社の雰囲気を読み取ろうとします。写真には、表情や服装、社内の様子も映り込みますから、実に多くの情報が見え隠れします。
求職者がリクルートサイトを見る理由は、自分がそこで働けそうかを見極めるためです。ここで合いそうだと判断してはじめて、その人は「問い合わせ」という行動に移ります。
最後に、「どんな理由で辞めていくのか」も語りましょう
これは、リクルートサイトで公開する必要はないのですが、実際に会社訪問や面接をした際に、その求職者に伝えるべきだと思うことがあります。
それは、会社を退職する人が「どんな理由で辞めていくのか」ということです。
いっしょに働く仲間となってもらうのですから、ミスマッチは極力避けたいものです。
「思っていたのと違う」
「そんなことは聞いていなかった」
「とてもここではやっていけない」
納得のいかないことで、不安や不満が蓄積していくことは大にしてありがちです。
会社は多くの人がいっしょに活動する場なので、一人の希望だけを最優先にすることはできません。
ほとんどの人がみんなに合わせて、その中で働いていることを理解してもらわなければならないので、「どんな理由で辞めていったか」を伝えた上で、「会社は最大公約数でみんなが活躍できる場を作っているから、あなたにだけに合わせることはできない。あなたが会社に合わせてね」とひとこと言うことも必要です。
ほとんどの会社が、事業紹介をするコーポレートサイトは持っていると思います。もし、人をだいじに思い、これから仲間を増やしたいと思うのであれば、リクルートサイトは別にしっかり組み立てることをおすすめします。
そうすることで、自社の内部を見つめ直すきっかけにもなりますし、今いる社員がどんなことを考えているのか、会社はどんな人に仲間になってもらいたいか、どういう方向へいこうとしているのかがより見えてきます。