COLUMN

会社がロゴを変更するとき。そこにはどんな意図が込められるのか。

2021.06.12

会社のロゴがなぜその形になったのか。
もしこれから自分の会社のロゴを変えるとしたらどんなふうに変えるのか。

「うちの会社のロゴ、飽きたから変えたいー。
デザイナーさんに何案かだしてもらってー」

そんなことで、かんたんに満足のいくロゴはできません。
できたとしては、気分が変わればまた変えたくなります。
ロゴは形だけのものではなく、思いを整えるためのシンボルです。
このロゴを見ると、会社の目指すところを思い出す、という機能をもつ重要なシンボルです。

 

ロゴを変更する際のヒントになればと思いますので、
福島カラー印刷のロゴのことを例にあげながら綴っていきます。

 

そもそもロゴとは?

日本では一般的に、企業やブランド、サービス、商品の商標やイベントのタイトルやシンボルを総じて「ロゴ」、「ロゴマーク」といいます。
それをデザインすることを「ロゴデザイン」と言いますが、実際には「シンボル(マーク)」と「ロゴタイプ」またはそれらの組み合わせを指します。

「シンボル(マーク)」はその会社、団体などを象徴する意匠、マークのことで、シンボル(マーク)は絵的印象に残りやすく、象徴として様々な意味を持たせることもできます。

「ロゴタイプ」は図案化された文字、文字列のことです。
文字なので、名称や意味としての情報を伝えるのに向いています。

 

少し身の回りを見渡しても、たくさんのロゴがあります。
会社名、商品・サービス名、看板のタイトル、雑誌、本、キャンペーンやセールの広告、映画や演劇、イベントのタイトルロゴ。
ロゴがそのままマークになっているものもあります。

わたしが今このコラムを書くために使っているMacはApple社。
言わずと知れたリンゴマーク。
このリンゴマークだけで世界中の人がAppleとわかるのは、ものすごい高度なビジュアル戦略です。

 

会社のロゴには何十年にもわたって使われているものがあります。
長年使われているということは、そのロゴが気分や感情に左右されず、時代の変遷に流されず、またその会社が長年継続し社会に貢献していることを意味しています。

 

 

福島カラー印刷はなぜロゴを変えたのか

ここからは、当社のロゴの話をしていきましょう。

福島カラー印刷は1982年創業。
1989年ころに作ったロゴを2013年まで使っていました。

この頃は、社内には制作部門もなく、デザインをする人もいなかったので、取引先のデザイン会社にお願いして作ってもらいました。

福島カラー印刷、Fukushima の F。

まあ、そうなんです。
安易といえば言えなくもないですが、これはこれでデザイン的にはシンプルでよかったのだと思います。

ロゴのあとに、キャッチコピー的なものとして、PRINTING & PLANNING とあります。
自社ながら不思議なのは、そのあとのfcpをデザイン化したものも付いています。
Fukushima Color Printing の頭文字をとったものですが、これもロゴの一つ。

当時創業10年程度で、走りながら考えていた会社の状況そのもので、まだ確固たる方向性は定まっていなかったようです。

同時期にデザイン会社に依頼した作った会社パンフレットもありますので、ご覧ください。A4・8ページです。
こういうデザインが喜ばれる時代で、会社パンフレットは営業活動に必須アイテムでした。
郡山営業所もでき、営業活動を果敢に展開していきました。

 

1994年制作部が設置され、印刷データ制作を内製化していくことになりました。
制作部ができたことがうれしすぎて、作ったリーフがこちら。A4・3ツ折、2C・4C。

キャッチコピーが、「何かが、できる。何かが、起こせる。」
!!!一体、何が!!!

もちろん社内でデザイン制作です。

なぜ表面を2色にしたのかは不明ですが、動くはずのない岩をも浮かせて、カラフルに彩ってしまうという斬新すぎる発想のリーフです。
いい時代だったんです。印刷も新聞折込も、各種マスメディアも全盛期の時代でした。

 

わたくし(渡辺)が当社に来たのは2003年。
Fのロゴに関しては、「右上の赤い四角はなにを表しているんだろ。これがデザインというものなんだろうなぁ」と思っていました。
しかしある時、当時の役員が一言がこんなことをつぶやいていました。
「頭でっかちで倒れっちまいそうなロゴだな」

 

2003年までもいろんな会社の歴史がありましたが、2003年以降も大きな波がいくつもありました。

東京営業所設立、Web事業開始、最主要取引先撤退、商品サービス売上構成の変化。

 

企業30年説というのがあります。
今ある企業が30年後に存在する確率は5%。
社会がどんどん変化していく中で、ずっと同じ商品サービス提供だけではおのずとお客様のニーズもなくなっていき、企業自体の存在意義もなくなっていきます。

1982年創業の当社は、2012年で30年。
30年を越えるにあたって、この会社はどうなっていくべきなのか。

当時はまだ経営理念はなく、社是のみでした。
「印刷という商品を入り口に、当社の機能と豊かなネットワークを駆使して、
様々なお客さまのニーズにお応えできるよう、
多種多様なサービス、商品のコーディネイトをしています。」

当社の強みはなんだろう。これからどこに向かえばいいのか。

 

「福島カラー印刷さんは、カラーの印刷が得意なの?」と聞かれることが何度もありました。
「ええ、創業時はカラー印刷が珍しい時代だったので、そういう名前にしたんですね」
とぼやかして返答するのが常でしたが、すでにカラー技術が発達してきて、カラーの印刷はあたりまえなのに、この社名の「カラー」は、こんな解釈でいいのか。
もっと意味づけをしたほうがよくないか、という思いがありました。

 

そもそも、当社の強みはなんだろう。
どこを目標にすればいいんだろう。

 

30年を迎える前の年、2011年3月、東日本大震災が起きました。
今こそ、会社の意義をはっきり意識することが必要だと感じ、翌4月には社名の意味を明文化しました。

「当社らしさ」は「カラー」を活かすこと
カラーとは、色のチカラ。色は機能。色は個性。色は変化。

 

当社の大きな強みは、ひとです。
ひとのよさ、まじめ、素直、気配り、柔軟な対応、チャレンジ精神。
当社の仕事のでき具合の大半が、ひとの力の賜物なのです。

基本理念や経営理念、経営方針も整えました。
その上で、個性を表す色の意味を、当社オリジナルの形で表現したい。
そういった会社の特徴を表現するロゴにしたい。
そして、できたのが、このロゴです。

2014年に今の形になりました。
色といえば虹。七色の虹。7つのカラーには当社の基本理念を当てはめました。

 

ロゴを整えるのは、会社の意思を整えること

ロゴを整えるまでには、会社のブレない意思が必要です。

これからロゴを変えようとする会社は、新たな決意表明のために行うのだと思います。
経営陣が交代になったり、多角展開などで企業の方向性が見直されたりするタイミングでは、対外的というよりはむしろ対内的に、意識統一をする必要があります。
意識統一の結果として、新たなデザインのロゴはシンボルとなっていきます。

人々に親しまれたロゴを捨ててでも、その会社が新たなビジョンやミッションを設定し、デザインを通じて決意表明する覚悟。
ロゴを変更するって、覚悟をもつ、カッコいい行為なんです!

 

福島カラー印刷「わたしたちの思い」

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