社長ブログ
2014年04月11日

さくら

茨木のり子の詩集をもらいました。
その中の一編です。

さくら

ことしも生きて
さくらを見ています
ひとは生涯に
何回くらいさくらをみるのかしら
ものごころのつくのが十歳ぐらいなら
どんなにおおくても七十回ぐらい
三十回、四十回のひともざら
なんという少なさだろう
もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も
まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう
あでやかとも妖しとも不気味とも
据えかねる花のいろ
さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と


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