自分の精神の巣づくり
Watanabe.Y
もうひとつ、読書の話。
評論家 森本哲郎の言葉。
枝をあちこちからくわえてきて小鳥が巣をつくるように、一冊、また一冊と本を買ってきて、それで自分のまわりを飾り、自分の精神の巣をつくるわけである。そうすると、そこに自分の世界ができあがる。
本は他人が書いたものだから、いくら並べてみても自分の世界にはならない、などといってはいけない。たしかに本は他人が書いたものにはちがいないが、その本をえらんで買ったとたん、それは自分の世界になるのだ。
本が多くなると、とうぜん部屋は狭くなる。しかし、それに反比例してわが心の世界はひろくなってゆくのである。