自分の望む節回しの本だけ読んではいけない
Watanabe.Y
きのうの続きです。
視点移動。自分以外の視点に移動して、新しい見方や概念を吸収すること。
本を読むとき、自分の視点がいつもちゃんと移動しているかどうか意識することが重要。
でも大抵、視点を移動させるのは苦痛なので、無意識に避けてしまう。
本を読むときも、本当は「俺が知っている節回しを持ってきてくれ!」と無意識に願っている。しかし、自分の主観を再認識するためだけの本、「ありのままのあなたでいいですよ。そのような考え方で生きていてよかったですね。あなたの思っている通りです」という本は、視点移動がまったくなく、言ってみれば、イージーリスニングのような本です。それはそれで、今日の疲れを癒す本としてはいいかもしれませんが、新しい概念や気づきをゲットしたり、理解力を向上させるのには役立たない。
本を読んでも概念をゲットできない人というのは、本に対して自分が期待しているものだけを読み取り、固着的、停滞的なあり方に慣れてしまっている人。こういう人は視点移動がてきないので、本から新しい知見や概念を得ることができない。
「齋藤孝の速読塾」より