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総合内科専門医からのアドバイス -須賀川市 諏訪町/内科 産後-

2011.11.28

産後の肥立ち

 

昔から、女性が出産の後に体調が悪く、なかなか元気になれない状態を

「産後の肥立ち」が悪いと表現してきました。

たしかに、産後に貧血があったり、難産で体力を消耗したりで、

倦怠感や立ちくらみ、食欲不振といった症状を自覚することもあります。

しかし、中には内分泌の異常からこのような症状が出現することもあり、

長い間気づかれずにいる場合があります。そのひとつは、

シーハン症候群といって出産時に出血が多いと脳の下垂体という

臓器に十分な血液が送られず、

下垂体から分泌されるホルモンが低下してしまう病気です。

下垂体は甲状腺や生理を調節する女性ホルモン、

さらにはステロイドホルモンの調節などを行なっているので、

これらの分泌が低下してしまうと、

食欲不振・全身倦怠感・むくみ・肩こり・便秘などの症状が出ることがあります。

一般的にこのような症状は不定愁訴と呼ばれ、

これらの症状からだけでは疾患を推測するのが困難なために、

長い間診断されない場合も多いのです。

私は以前、36年間放置されていた症例を経験しました。

この方は低Na血症から診断に至ったのですが、

治療によって今までの不調が嘘のように改善され今も元気で生活されています。

もし産後にこのような症状が出現し、

現在も続いているようでしたら一度内分泌の専門医に相談して採血を受けてください。内分泌疾患はホルモンを補充するだけで、

これらの症状が嘘のように改善することが多いのです。

 

■ 太田メディカルクリニック

TEL.0248-75-2343

須賀川市諏訪町5

http://www.clinic-ohta.com

□営業時間/午前8:30〜12:00 午後14:30〜18:00

□ 休診日/土曜午後、日曜・祝日

 

*詳細は、まいみん彩(11月27日)発行をご覧ください。

 

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