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時間の流れでもたらされる変化で、当時ほど共感できなくなる

Watanabe.Y

10代後半、20代前半に読みあさった文豪の単行本をずっと書棚に並べていて、仕事でも引退したら読もうと思っていましたが、昨年から少しずつ読み返し、読み終わったものから捨てています。

 

思い立ってから、半年。
書棚はまだ4分の1も空かなくて。
それでもコツコツ読み進めています。

 

単行本は、なにせ文字が小さい。
こんなのを若いときはなんの難なく読めていたわけで、それだけ体には変化があることがわかります。

 

直近で読んだのは、日本文学の中では好きだと思い込んでいた島崎藤村。
劇的な情景があるわけでもなく、激しい感情の描写があるわけでもなく、鬱々とした感情のもつれがあるわけでもなく、なにか淡々と目に映るものをありのままに綴っているような感じが美しいと感じて。

 

でも、最初に読んだころの自分と今の自分はずいぶんと違ってしまったのだと思います。
人の本質は変わらないのかもしれないけど、小説の中の世界と今の世界ではあまりにも隔たりがあって、読み進めるなかで、なにか徒労感を持ってしまいました。

 

かつては、ここから得たなにかはあったはずなのに。

 

本は人と似ているところがあります。
人との出会いも、その時その場所で出会い、意気投合していたとしても、時間の流れでもたらされるお互いの変化で当時ほど共感できるところがなくなっていることに気づいたりして。

 

まだまだ残る本たち。
何年かかるだろうか。

 

 

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