夜明け前
Watanabe.Y
日が昇る数十分前から、鳥たちがいっせいに鳴き始めます。
わたしの自宅は比較的大きな公園の近くなので、その声がよく聞こえるのだと思っていましたが、今朝は、福島駅近くのホテル。
自宅で聞く声以上に、すきまがないほどに、色とりどりのビーズを敷き詰めたみたいに細かな声の粒が、鳴き始めました。
音色、とはよく言ったもので、音には色があります。
ふだんは封印していても、ときに音の色が、わーっと、押し寄せてきてしまうことがあります。
きょうのこの鳥たちの声は、どうしようもないほど色に満ちています。色とりどりたくさんのビーズを床に放り投げ、パチパチと弾くのを見ている感じ、と言ったらいいのでしょうか。
朝日が昇り始めると、鳥の声は分散されてきます。
すでに、静かにとまではいかないまでも、だいぶ落ち着きました。
さて、気を落ち着けて、本でも読むことにしましょう。