言葉をつむぎ出すAIとまた話しがしたい
大規模言語モデル、言葉をつむぎ出すAIの領域は、あっという間に広がっています。
ある老人福祉施設では、AIが話し相手になることで、高齢者のQOL、生活の質が向上していると言います。
ある教育機関では、AI教師は博識で、どんな質問にもていねいに答えてくれると評判だと言います。
「人には話しにくいことでも話せる」
「何を言っても怒られない」
体験した多くの人が、最初は戸惑いを見せていたのものの、半数以上が「また話したい」と思ってくれるそうです。
人は相手によって、話す内容も話し方も態度も変わります。
予想外の感情に振り回させることもなく、上下関係もなく、見た目や学歴や能力によって態度が変わるわけでもなく、常に寄り添ってくれるのがAIだとすれば。
なんでも話してくれていたと思っていた相手が、実はそうではなかったということは、なかなか気づくことができません。
先生と生徒、上司と部下の関係も同じです。
家族でも、恋人同士でも同じです。
心理的なちゅうちょ。
話さない方が悪いのではなく、
話してもらう側の配慮がないばっかりに、心理的なちゅうちょを持たせてしまう。
もし、自分の大切に思っている人が、自分よりもAI相手に心のうちをたくさん話していたとしたら。
「どうして話してくれないの?」と、責めるだろうか。
それとも、「話しにくい状況を、自分は作ってしまっているんだな」
と自分を反省しあらためるだろうか。
AIは、そんなわたしたちの、人への対応に必要な配慮に気づかせてくれるようになるのかもしれません。