まずは一歩。そしてまた一歩。
Watanabe.Y
入社3ヶ月のSさん。
彼はおとなしい。
こんなことを言うと、怒られてしまいそうだが
とても営業ができそうには見えない。
社内のひととも、世間話をしている姿など見たことがない。
話をするのは、得意そうじゃない。
でも、営業職を希望して当社に入った。
そして今、当社発行の得プレふくしまの営業として、先輩に同行し、先日からはひとりでも動くようになった。
飛び込み営業もやりはじめた。
なぜ、彼に入社してもらったか。
「彼がうちの会社でキラキラするようになったら
なんかうれしいかも」
仕事を通じて、Sさんがもっと能力を発揮できるようになったら、いいなぁ。
それだけ。
すごい自分勝手なわたしの思いだけで、入ってもらった。
わたしのデスクからまっすぐ目を上げると、Sさんが部屋の先に見える。
Sさん、だいじょうふか?
思わす声をかけたくなるほど、
存在が静かだ。
昨日社内のミーティングが終わって
デスクに戻ると、Sさんがやってきて、こう言った。
「◯◯さん、掲載が決まって、今日午後打合せに行ってきます」
彼、はじめて自力で掲載を決めることができたのだ。
飛び込み営業だったそう。
わたしは思わず彼と握手をしてしまった。
「よかったね!」
握手なんてしなれてない彼は、
戸惑っただろう。
わたしの強さにくらべて
彼の握力は、ふわっとしていた。
いつか、彼がガッチリとわたしの手を握り返すようになればいいと思う。
自信をもって、自分の存在を示せる人になったらいいなぁと思う。
人はだれでも才能がある。
それをあぶり出して活かすのが
仕事をすることの意味だと思う。
まずは一歩。そしてまた一歩。
多少時間がかかってもいいから
前進していければいいと思う。