「迷う」という文字は、〝しんにょう〟を書いて「米」。
Watanabe.Y
〝しんにょう〟はもともと「行く」という字と、「足」の形をあらわす「止まる」のふたつを組み合わせた部首です。
わかれ道で足を踏み出していく、という意味をあらわしています。
目的地へ向かって急ぐ人々がゆきかう道の真ん中で、米粒のようなかけらを、ばらばらとこぼして立ちつくす誰か。
人々に蹴散らされ、踏み潰された小さな想いを、拾い集めることなど、できるだろうか。
立ち上がり、ふたたび歩み出すべきは、どの道なのか。
そんな姿を描いたのが「迷う」という漢字。
「感じる漢字 心が解き放たれる言葉」山根基世 著 より